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腰椎分離症について

『腰椎分離症』

腰痛には、特定の原因があきらかでない、いわゆる腰痛のほかに原因が明らかな腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症、腰椎終板障害などがあります。
とくに腰椎分離症は、スポーツを行なっている成長期に発生することが多く、活動性の高いこどもが腰痛を訴えたときは常に腰椎分離症を念頭におく必要があります。

腰椎分離症の原因

胎児や新生児、生下時から歩行不能の人には基本、分離は認められません。
年齢が増すにしたがい分離の頻度が増加します。腰痛のない人の腰椎レントゲン写真やCT検査で分離の発生が調べられており、男性で3~7%、女性で1~4%に認められています。
また運動している子どもの分離の発生は、一般のこどもの約3倍のおよそ9%の発生であり、さらに運動選手では10~30%に発生しています。

このように、分離のほとんどは生まれつき発生しているのでなく、スポーツなどで腰椎に加わった過剰なストレスの繰り返しなど、後天的な原因で発生していると考えられます。
保存的治療で治癒すること、骨癒合が得られないときには偽関節となり分離した状態となることから、腰椎に発生した疲労骨折が分離の本体と考えられます。

腰椎分離症の発生機序

腰椎は上体と骨盤のつなぎ目にあたり、5個の椎骨が連なっています。
椎骨どうしは、前方が椎体と椎体の間にある椎間板により、後方は椎間関節によりつながっています。

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分離が発生するのは腰椎後方の上関節突起と下関節突起の間の関節突起間部で、この部分に腰椎の屈伸、回旋が繰り返し加わることにより疲労骨折が発生します。
骨折の骨癒合が得られず偽関節となり離れた状態が分離症で、腰椎分離はほとんどが第5腰椎(90%)に発生しています。
椎間関節と椎体との関連から腰椎では回旋が制限され、回旋動作により関節突起間部ストレスが加わりやすいこと、第5腰椎は上体と骨盤の境目にあたり上体の負荷が集中するためと考えられます。

腰椎分離症の症状

運動時の腰痛が主で、とくに腰を反った時や捻った時に腰痛が増強するのが特徴です。分離が発生し始めの初期は腰痛の程度も強く、持続します。分離部や分離椎体の棘突起を押すと痛みが増強します。ときに神経根が圧迫され、坐骨神経様症状をきたすこともあり椎間板ヘルニアに類似した症状が見られることがあります。

腰椎分離症の治療

分離の進行の度合いによって治療が異なってきます。初期から進行期の分離はスポーツ活動を禁止、硬性コルセットを装着することによって骨折が治る可能性があります。通常の骨折にたいする治療と同様の対応をします。約2~3ヶ月間、部活動のみならず体育も含め全ての運動を禁止します。骨折の治療と同じ、固定して骨を癒合させるためであること、運動を続けると偽関節となって分離することを防ぐための一時的な運動の休止であることを説明します。初期の分離に対し適切な治療を行なったときに90%に近い骨癒合が期待できるといわれています。運動を禁止している間は、腰椎を安定させるための体操が大切です。腰部・骨盤の筋を伸ばすストレッチと強化の二つからなります。ストレッチする筋は腰、太ももの前と後、強化する筋は腹筋、お尻の筋肉です。とくに太ももの後ろの筋肉のストレッチが大切です。運動を止めると1ヶ月ほどでほとんどの腰痛は消失します。2~3ヶ月後にCTやMRIで骨折の治癒を確認してから運動を再開します。骨折が治らず、骨折部が離れたまま偽関節となったとき、あるいはすでに偽関節の終末期の腰痛に対しては、体操とコルセットで痛みがとれ次第、運動の再開が可能です。ただ分離が存在することで、腰椎が不安定となり腰痛が再発することがあります。しばらくの間、軟性コルセットを着用し、さらに体操を継続することが大切です。

腰椎分離症の予防

腰椎分離を予防するため、とくに小学生のスポーツでは、腰に負荷が集中する練習は避け、全身をバランスよく使うような工夫が必要です。さらに単一のスポーツだけに取り組むのではなく、複数の種目の練習を取り入れることも効果的です。

生活上の注意事項として、腰椎分離症から腰椎分離すべり症へと発展する場合がありますので、「症状の悪化」「下肢の痺れ」などの自覚症状の有無について注視しておきましょう。症状が現れたら直ぐに専門家の診断を受けるようにしましょう。

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